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水槽にきれいな水を入れて、淡水魚を育てているとしましょう。そこに汚染した土を一握り入れます。そうすると、あっという間に魚は死んでしまいます。どうして魚は死んだのでしょうか。 汚染した土に含まれている毒性物質が作用したからでしょうか。それとも、泥が魚のえらを塞いでしまったからでしょうか。科学者たちは魚の死んだ原因を明らかにするために、多くの時間、費用、エネルギ-を消費して、汚染した土と魚の組織を調査します。 しかし、魚の死んだ原因は生物、生化学的に一つの問題ではありません。どうすれば、魚が健康に育つでしょうか。当然、汚染した土を入れなければいいでしょう。私たちはとても簡単な問題を、ミクロ的な観点から科学的に考えようとします。 現代医学の薬物療法がこれと似ていると思いませんか。体を構成している細胞は、すべて水と酸素、栄養素からできています。これらは細胞の機能を維持するために使われ、そのバランスが細胞の生存環境を清浄に維持しています。もし、病気になったら、酸素と水、栄養素のバランスをチェックし、細胞の生存環境をきれいにすれば、体の中で一番よい治療剤ができます。これが、マクロな観点から見た総合治療法です。 私たちは精神病に対して、難しいと思っているようです。Eden療法から見ると、精神病は難病ではありません。常識のレベルから、もう少し考えてみれば、精神病も風邪に引いたことと同じように理解できます。 まず、脳について勉強しましょう。 脳 人の脳の重さは約1.3kgで、男性は平均1.35kg、女性は平均1.25kgです。そして、その細胞の数は1000億もあります。 脳の解剖学的構造と機能 脳の構造は複雑で、解剖学的用語も非常に多いですが、基本的に次の4つに分けられます。 ①脳幹(brain stem) 脊髄と直接につながっている部分ですが、生命の営みには非常に大切な役割を果たしています。爬虫類の脳と似ているので、「爬虫類の脳」とも呼ばれています。心臓の血液循環と、肺の呼吸運動をつかさどっている延髄のある部分です。延髄は中枢神経の一部で、心臓の搏動と肺の呼吸の自律的機能を調節しています。 ②脳下垂体と間脳(limbic system) 脳幹の上側にある小さな複合体で、脳下垂体や間脳があります。脳下垂体は発育・生殖に関係するホルモンを分泌しています。また、間脳は視床下部よって占められていますが、この視床下部には知覚神経が纏まっており、知覚センターのようになっています。脳下垂体や間脳の部分は、体内における化学的信号であるホルモンの作用や、知覚神経の興奮などによって、食欲、性欲、眠気などを調節します。 ③大脳(cerebrum) 大脳は頭蓋骨内の大部分を占めています。この大脳の表面を形成している灰白色の部分が大脳皮質ですが、これは感覚・意識の中枢として働いています。また、大脳は左脳と右脳に分かれており、左脳は理性的、時間的、直接的、現実的、功利的な機能を、右脳は感性的、空間的、間接的、空想的、理想的な機能に決まっています。このような機能は、バランスをとり、調和を保つようにコントロールされています。 ④小脳 小脳は、精密な運動機能を調節する主要な中枢であり、体の姿勢やバランス、骨格筋の緊張、視覚・聴覚・体性感覚のフィードバック機能を調節しています。 脳神経の細胞の独立的な特性 ①酸素の消費量 脳は体重の約60分の1にあたりますが、体内に吸い込んだ酸素の20%も使います。例えば、体重が90kgの人なら、約1.5kgの小器官が、酸素の20%を消費してしまうのです。これは体が必要とする必需栄養素全体の20%を消費するということになります。もし、過度のストレスにさらされれば、酸素消費はどんどん増えてしまいます。興奮、緊張した後、後頭部が痛くなったり、頭がぼうっとしたり、めまいがしたりした経験はありませんか。これは、脳細胞が大量に酸素と栄養素を消費した結果だと考えられています。 しかし、現代医学は脳神経の病気である精神病を治療するのに脳の酸素の消費量に対した必須栄養素の消費量を無視しています。 ②脳神経の細胞ー特異性栄養素の要求 脳細胞はエネルギー源として、たった1つの栄養素を使います。それは葡萄糖です。脳細胞は清浄なエネルギー源と言われいる葡萄糖だけ消費するのです。葡萄糖を使いしながら、同時に酸素と水、必需栄養素も消費しています。脳細胞が消費して、足りなし酸素と水は、ただちに補充できますが、必需栄養素はすぐ補充できないので、一時的に必需栄養素不足を起こします。これが長期にわたってひどくなると、栄養減少症(click)になってしまいます。 精神的な疾病の多くは、脳細胞の中、葡萄糖と蛋白質の代謝に必要な補助的な必需栄養素減少症にその原因があります。(科学者たちはこれを無視して、細胞に発生した生科学的な異常を代謝障害説、免疫説、アレルギ説、ウイルス説と主張しています。 栄養素減少症は脳細胞の機能、神経回路網の信号伝達を低下させます。脳細胞に必要する栄養素は、葡萄糖、蛋白質、脂肪の代謝に必要な物質に分類します。これらの必需栄養素は、同じ物もありますが、ほとんどは代謝機能によって違います。だから、精神病の予防や治療に、必需栄養素が使れます。これがeden療法のポイントです。 ③脳神経細胞の独立的な運営システム 脳細胞にはリンパ腺がありません。これは免疫体系が異なっているという意味です。脳細胞は自分に必要のない異物、たとえ同じホルモンであっても、他の場所で生産されたホルモンは受け入れないように、バリアが張りめぐらされています。これが「脳血管バリア」です。脳細胞が神経系タンパク質を合成・分解したり、エネルギー源である葡萄糖を使ったりするには、それに応じた独自的な「特異栄養素」を選択的に使うと考えられています。 治療原理は精神病も胃腸病や皮膚病と同じ 細胞から見れば、精神病と皮膚病の治療原理は同じです。「本当に精神病を皮膚病と同じ原理で治療するのか。」と問い返す方がいるかもしれません。 しかし、脳細胞も皮膚細胞も「細胞」という面では同じです。違いはそ構造で、脳細胞ははるかに細分化しているだけです。どちらも酸素と水、そして栄養素を使って、それぞれの細胞の遺伝子によって、特定の物質を作ったり、分解したりする働きは同じです。また、細胞が外部のシグナルを受けて反応する原理も、細胞が互いに信号を伝える原理も同じです。それだけではなく、環境によって、細胞は発達したり、その機能が下がったりします。脳細胞の機能低下による精神病も、細胞の機能低下によって起こる胃腸病や皮膚病と同じように考えられます。 例えば、話をしたり、何か食べたりする時、唾液腺から唾液が分泌されますが、このバランスを調整するのに、どんな異物が必要でしょうか。ただ、水と酸素、唾液の適度な分泌に必要な栄養素だけで十分です。それで、最高の洗淨剤と抗菌剤、さらに消化酵素を得ることができるのです。たとえ唾液腺に障害があったとしても、その細胞に酸素と水、栄養素を十分に供給すれば、細胞は自らに解毒作用を取り戻すものです。脳細胞も同じではないでしょうか。 ストレスと脳細胞の関係 体の機能を調整する2本の軸は、ホルモンと自律神経です。これらが正常に働かない主な原因はストレスです。自律神経が正常に働かなければ、体の色んなところで機能障害が起こり、病気になります。だから、「原因がはっきり分からない病気は、たいていストレスによる」と言われます。 現在は、誰もが複数のストレスを持っています。ストレスという言葉はよく使われる言葉ですが、ストレスとは、私たちを取り囲んでいる環境の変化によって生じるものです。ストレスには、精神的なものと物質的なものがあります。 例えば、病気になったり、けんかしたりといったマイナスの変化によるものと、クラスで一番になったとか、職場で昇進したなど、プラスの変化によるものがあります。とても大きい変化としては、失業、倒産、配偶者の死亡、また、買った株が高騰したり、新しい家を買って引っ越したりする生活環境の変化が、精神的なストレスです。 物質的な変化とは、体内の細胞レベルにおける物質的環境変化のことを指していますが、例えば、過労や、お酒の飲みすぎ、激しい運動、また、けがで多量の出血、大量の汗、長期間にわたる偏食や毒性のある薬の服用などによって生じる物質的なストレスです。 このように体の外や内から生じるストレス、つまり、精神的、物質的にストレスがひどくなると、私たちの脳細胞や神経細胞、他の各組織や器官の細胞は、その物質環境が正常的な環境から非正常的な環境に変り、病気になってしまうのです。強い持続的なストレスにさらされたら、脳神経系細胞及び自律神経系細胞の物質環境が乱れて、信号伝達の障害を起こします。脳神経系細胞において信号伝達の障害は、各種精神病で現れます。 神経栄養素の摂取 栄養素を十分に摂取すると言われますが、最近の穀類や野菜、果物などは、豊富な堆肥で育てられているとは限らないようです。また、市場から多くの加工食品が出ていますが、これらは高カロリー食品が多く、エネルギーは十分ですが、必需栄養素が不足しています。だから、栄養剤を服用する必要があります。ただ、男性と女性、お年寄りと若者、生活習慣、病気などによって、その処方は違います。健康な人も、栄養素のバランスを維持していくために、複合栄養剤を選んで、適度に飲むことを勧めます。 神経栄養素減少症になると、体内の全ての器官や組織を支配する脳細胞の働きの中でも、最上位ホルモンを合成・分泌する機能が低下してしまいます。脳で合成・分泌されたホルモンは、さまざまな下位ホルモンを支配する総合的な働きをしています。つまり、最上位ホルモンの合成・分泌が良くできないと、そのホルモンが支配する器官・組織に障害が起こり、体に原因不明の病気が生じます。 結論的に、栄養素素減少症の原因はストレスだということです。まず、ストレスを解消しなければならないのですが、そのため、十分な必需栄養素をとることが大切です。次は十分な休息と睡眠、適度な運動です。もし、この順序を逆にして、熱心に運動したら、ますます必需栄養素が不足して、逆効果になってしまいます。 脳及び、神経細胞の信号伝達機能 脳細胞や神経系細胞の主な機能は、さまざまな情報や信号を体内の色んな組織や器官に伝えることです。また、脳神経細胞群は、それぞれの機能によって別の脳神経回路網を構成していますが、それだけではなく、これらの機能別神経回路網も互いに連絡して大きなネットワークを構成しています。 こうしたネットワークは、20世紀末に驚異的な発展をした生命科学と生化学(生物化学)、特に、細胞科学という分野から発見されたのですが、現在、そのメカニズムも知られています。 では、脳細胞、自律神経細胞、末梢神経細胞、末端の細胞の間で、いったいどういうふうに情報や信号がとり交わされているのか、簡単に紹介します。 2003年、ノーベル化学賞を受けたのは、ピーター・アグレ(Peter Agre)と、ローデリック・マッキンノン(Roderick MacKinnon)です。この二人は、細胞膜を水が通るチャンネル(water channel)とカリウムイオンが通過するチャンネル(potassium channel)との立体的な構造を明らかにしたことが認められて賞を受けました。 細胞膜に物質が出入りする過程の解明において、現代の生化学は驚くほど研究が進み、細胞膜で起こっている化学的な結合と解離についても、かなり知られています。さまざまなホルモンや神経伝達物質が、細胞膜にある水溶体分子(主に燐脂質分子)と化学的結合を行なうことによって、細胞内に信号を伝達することが分かりました。このような研究結果によって、末端の細胞と細胞の間にどのような情報や信号が伝われているかということも知られています。 ①インスリンと糖尿病 糖尿病と深い関係のある重要なホルモン、インスリン分子についても、情報信号の伝達過程が詳しく解明されています。胃の中に食べ物が入ってくると、胃の粘膜のセンサー細胞が、炭水化物に含まれている葡萄糖濃度を化学的に計算して、膵臓にその数値情報を送ります。 実際、この過程はすでに実験を通じて証明されています。胃に粘膜から、この情報を受けた膵臓は、インスリン分子を分泌して、血液中に放出しますが、放出されたインスリン分子は、必要とされている肝細胞や筋肉細胞、または脂肪細胞などに赴いて作用し、自らの機能を果たします。インスリン分子が葡萄糖を処理するのですが、葡萄糖を処理する信号が、体内の細胞に伝わるためには、インスリン分子がその細胞の細胞膜に存在するインスリン水溶体と化学的結合する必要があります。この化学的結合が行い、葡萄糖も分解できるということです。 この過程の立体的構造は、すでに1970年から1980年にかけて、多くの生化学者によって明らかにされました。次々に、インスリン水溶体が何らかの原因で変質を受けている場合、インスリン分子はインスリン水溶体と化学的に結合できず、葡萄糖を分解することができないということが分かりました。胞膜のインスリン水溶体の変質が、インスリン分子との結合を阻んでいるので、この現象を「インスリン抵抗性」と呼ばれており、糖尿病学界では誰でも認めている理論なのです。 ②細胞膜と情報信号伝達スイッチ さまざまな脳神経伝達物質とホルモンの情報信号(体細胞でいえば「インスリン分子」に相当)とは、ニューロンとの接合部分(細胞膜)に存在する「シナブス」(インスリン水溶体)をはじめ、ニューロンに伝達されていると知られています。 このような研究結果に基づいて、神経細胞の情報信号伝達機能を簡単に説明すると、脳神経細胞の情報信号伝達体系には、それぞれの脳神経細胞に特有なスイッチ、つまり「シナブス」や「インスリン水溶体」などが存在しています。基本的なスイッチ、細胞膜に存在しています。 例えば、メラトニンというホルモンは、脳で作られている睡眠を促すホルモンですが、血液中に疲れ物質の濃度が増加したことにつれて、周りが暗くなった条件、つまり「薄暗い」という刺激が脳に伝わると、メラトニン・ホルモンが脳で増産されるようになります。すると、このメラトニンの作用によって、私たちが目覚めて活動している時に働いている「表面意識細胞」に存在するメインスイッチが切られてしまい、無意識の領域である眠りに入っていくことになります。 「表面意識細胞」というのは、「爬虫類の脳」とも呼ばれている「脳幹」にある延髄などの細胞を除いた部分で、心臓の摶動と肺の呼吸運動とに関わっている細胞群を除いた、意識・思考・知覚・感覚・体の平衡・運動などと関係する神経領域にある細胞群です。だから、メラトニン・ホルモンの作用によって、表面意識細胞のスイッチが切られて、表面意識細胞が動かなくなるというのは、眠っている状態を指しているわけです。この時、メラトニン分子は、脳神経細胞の細胞膜にある「メラトニン水溶体」分子と化学的に結合しているのです。 要するに、脳神経回路網を構成している脳神経細胞群や、体内細胞群への情報信号伝達は、これらの細胞膜に存在している情報信号受容分子との化学的結合、解離によって行なわれているのです。そして、この大きい情報信号伝達ネットワークに故障が生じていることは、細胞膜の情報信号受容分子が、何らかの変化・変質を起こしている状態です。この分子の変質を直してくれるのは、栄養素をおいてほかにないと考えれれます。 うつ病や躁うつ病、強迫症、精神分裂症、幻聴、幻視などの精神病を脳細胞の信号伝達障害という観点から、もう一度考えるべきではないでしょうか。 Eden療法と既存療法の比較 科学は全て仮説から出発します。その仮説の正しさを、観察や実験によって証明していきます。そして、証明された仮説は、すでに仮説ではなく、実際の法則や理論になります。ある治療法によって、精神病のほとんどが根本的に治らなければ、それは出発点である仮説が間違っているのではないでしょうか。 脳細胞は体細胞よりも、一段と複雑な体系です。この複雑な体系に生じた問題を、いくつかの単純な要素で説明するのは、問題を根本的に解決することはできません。複雑な体系には、それに見合った仮説や治療法が必要です。 Eden療法の処方は、この複雑な体系に適した対策です。 Eden療法の仮説 精神病に対する治療法は、次の仮説から始まります。 脳細胞に異物は入れないということは、遺伝的傾向というより、むしろ脳神経細胞における特異性栄養素の減少症にその原因があるのではないか。 脳細胞の老廃物の濃度が増加しているのに、それをすばやく分解・排出できず、老廃物が溜まったら、この状態は信号伝達の障害を引き起こすのではないか。 脳細胞には、異物分子が入っていけないようにバリアが張られているというのは、「脳血管バリア」理論に基づいたものですが、バリアが張られて、異物分子が入ったわけでもないのに、脳の運営体系に、機能的な問題が生じているとすれば、それは外部からの影響ではなく、脳細胞内部で発生したはずです。 もし、脳の機能的な障害が脳細胞内部の問題にあるなら、その原因は必須栄養素の減少と、老廃物の増加、この2つによって引き起こされた細胞内外の酸化的損傷以外、他に考えられません。 つまり、脳の機能的な障害を予防する方法は、脳細胞が必要とする必須栄養素の血中濃度と組織内濃度を高いレベルで維持することです。
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